先日、あるホテルから「ご宿泊のお客様2名が、お好み焼きと日本のカレーの作り方を習いたいと仰っているのですが・・・」と電話がかかってきました。

お好み焼きと日本のカレー、どちらもSakura cookの通常クラスにはない内容です。同時に「肉はビーフにして欲しい」というリクエストでした。電話は夕刻にかかってきて受講は2日後のご希望です。ちょうどその日時には予約が入っていなかったので、思い切ってこの特別なリクエストを受けることにし、お客様のお名前のスペルをスタッフがメモして電話を切りました。

そのお名前はとても長くて発音がよくわからなかったのですが、イスラム教圏を思わせる名前であることに気づいたのです。宗教上の理由でポークを避けている可能性を考え、準備を進めることにしたのですが、そこからがとても大変でした。

まず「お好み焼き」は肉をビーフにすれば、野菜や小麦粉などの材料にはポークを含みませんが、市販されているソースのほとんどがポーク由来のエキスなどを含んでいました。「日本のカレー」に至っては、なんとカレールーのほとんどがポーク由来の成分を含んでいたのです。ハラール食材ショップに電話をし、カレールーを探しましたがお店の方の説明を聞く限りでは、レディメードのカレー味野菜スープ(レトルトに近い?)のような感じで、日本のカレールーとは異なっているようでした。

ネットで情報を探して、ようやくポーク成分を含まないカレールーが日本のメーカーから販売されていることを見つけ、スーパーで購入することができました。普段使っているルーとは形状が違っていましたので、実際に作ってみることにし、作りながらレシピを決めていったのです。またお好み焼きのソースも、ポーク成分を含まないものを購入できました。

こうやって、お好み焼きと日本のカレーを完全なポークレスのレシピとして提供する準備が整い、お客様にお持ち帰りいただけるレシピ資料も即席ですが作りました。

レッスン当日、現れたお客様は中東ヨルダンから来日された男性2名で、日本と日本で味わう食事を心から愛する方々でした。大変喜んでいただいた様子を見て、私たちもとても嬉しく思いました。

不慣れなメニューとポークレス。思った以上に大変でしたが、チャレンジしてみて良かったと思います。