日本を訪れる国別外国人の上位5位は、中国・韓国・台湾・香港・米国です。これらの国で使われている言語だけでも中国語(繁体字・簡体字)、英語、韓国語と多様です。

「訪日外国人向け料理教室」と言葉で表現するのは簡単ですが、多様な言語への対応は大きな壁でした。中国語のクラス、英語のクラスというように言語別に分けると運営効率が落ちますし、旅行者にとっても自分の言語のクラスが開講している日程が少なくなります。

色々考えた結果、複数の言語に対応した動画教材を作成することにしました。指導する日本人インストラクターにも内容が理解できるように、日本語のナレーション+外国語の字幕という構成にしています。この動画教材をタブレットでレッスンの冒頭に再生するのですが、その時に自分の言語を選んで使ってもらいます。この方法だと同じレッスンに違う言語の生徒が混ざっていても、当日のレッスンの流れを自分の言語で理解した上で実習に入ることができます。

教材の台本は私自身が作成し、撮影・編集はプロにお願いしました。いきなり調理の説明に入るのではなく、その料理が生まれた歴史や背景など文化的解説を加えたことが特徴となっています。実際にレッスンで使ってみると、動画教材は言語を乗り越えて日本料理の奥深さを伝えるツールとして活躍しています。