訪日外国人による「連絡なしのキャンセル」は、BtoCのインバウンドビジネスを展開する事業者の多くを悩ませる問題です。
ホテルのコンシェルジュ経由での高級レストラン予約といったケースでも、連絡なしキャンセルは珍しくなく、中には「ホテルからの外国人旅行者の予約は受けない」レストランもあると聞いたことがあります。旅行中に他の楽しみに夢中になって予約を忘れてしまう気持ちは理解できないことはありませんが、文化の違い、約束を守ることへの考え方の違いがこの問題の根本原因なのです。
日本料理教室Sakura cookでも、キャンセルの洗礼を受ける日がやってきました。3月後半に、在日外国人の女性から電話があり本国から4月に訪日する知人2名のために予約を代行されたのです。日本語で電話をされてきた女性は、コースの内容や金額など質問され、いったん電話を切って知人に確認の連絡を入れ、再度予約の電話をくださいました。知人が来る喜びからか女性の声も弾んだ印象で、日本の旅を楽しませてあげたい・・・そんな気持ちが伝わる電話でした。
そして予約当日、レッスン開始時刻を過ぎてもお二人は現れません。予約をくださった女性に電話をすると「行ってないんですか!?」と驚かれ、当人たちに電話で確認していただいたところ「今二人は名古屋にいて時間には間に合わない、もうレッスンは受けたくないと言っている。本当にすみません・・・」と涙声で話をされました。
キャンセルポリシーを明確にしてキャンセル料をいただけば良いというご意見もありますが、個人の旅行者からキャンセル料をお支払いいただくことは実際には困難です。結果、この日のSakura cookは既に購入した食材、準備~片付けの時間(人件費)などのコストだけが発生し、気持ちの面でも大きな落胆を味わいました。
この出来事でこれからは度々キャンセルに悩まされるという覚悟をしたのですが、実はSakura cookが体験したキャンセルは今のところこの1件だけに留まっています。